実験舞台装置燭座 国法

 

我らは一つの独立国として、ここにその国法をひ ろく掲げることとする。

国法は序章、第一章、第二章、第三章から成る。

序章では国の心を謳い、第一章では人の心を謳 う。

第二章では国の戦に対する姿勢を記し、

第三章は我々の成す国というものが生き続ける限 り変容を見せるであろうことを示唆する。

 

序章

我々はタタカイ をもって我々を表現する。

街は舞台。

演者は我々であ る。

個を研ぎ澄ませ よ。

常識をゆさぶ れ。

我々は一つの奇 妙な生き物となって、世界を貫くだろう。

 

タタカイとは、 戦争であり、克服であり、解決であり、粘りであり、また葛藤である。

そして何より、 快楽である。

 

第 一章:脳髄

■”酔狂”を嘲笑う者 は去れ。

■和をもって尊しとなせ。

■平素まず己でシコウ(思考・指向・志向・嗜 好・試行・至高)せよ。

■私生活・家族を犠牲にするな。

■己を開き、仲間を知れ。

■何か一つでも得意とすることを確立すべく尽力 せよ。

■己の強さ・弱さは、過大にも過小にも評価せ ず、論拠を持って捉えよ。

■和を乱す者、タタカイを諦めた者などは王の判 断において、一時的あるいは永久に除籍する。

 

第二章:戦

■戦時はただ豪雨のごとく撃ち、撃つことをため らわず、ひたすら撃ち続けよ。

■部隊長は後進を導き、朋友を支え、自身に誇り を持ち、日々琢磨せよ。

■我々の布告による戦争が予定された場合、各自 もてる全てを駆使してそれに備えよ。

■平時の継承は情勢について思慮したうえ自己の 判断において根拠をもってなせ。判断つかぬ者は各部隊長に助言を仰げ。

 

第三章:更新

■これに漏れたる事々は、追って記し加えらるべ きにて候。

 

 

 

弐〇壱〇年某月某日 記ス。